近年、急激に普及し始めている動画コンテンツは、SEOの面でも注目度が高くなってきています。動画コンテンツの中でも、特に「YouTube(ユーチューブ)」が市場の大半を占めています。
この記事では、SEOにおける動画の有用性とYouTubeにおける動画SEOについて詳しく解説していきます。
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【目次】
■1)動画はSEOに有効なの?
1_1:そもそもSEOとは?
1_2:動画のSEO効果は立証されているのか
1_3:動画がSEOに与える「間接的要因」とは
■2)どのような動画コンテンツが最適なのか
2_1:動画コンテンツは検索ニーズとテキストにあったクリエイティブ
2_2:現状ではYouTubeが効果的
■3)YouTube内のSEO(VSEO)とは
3_1:VSEOとは?
3_2:Googleが評価する動画とは?
3_3:YouTube内SEO(VSEO)でおさえておきたい13個のポイント
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動画はSEOに有効なの?
- そもそもSEOとは?
SEOとは、”Search Engine Optimization”の略称であり、「検索エンジンの最適化」という意味です。さらに、Web集客のためにWebサイトを検索上位に表示させるようにしたり、そのWebサイトにおける目標を達成させたりするための一連の取り組みのことを「SEO対策」といいます。SEO対策は一般的に下記3つの対応を行うことによって、上位表示を実現することができます。
■コンテンツの拡充
■内部施策(メタタグ最適化、低品質コンテンツの排除など)
■外部施策(外部サイトからの純粋リンク)
Googleのアップデートによって上記のような評価軸も適宜見直されている状況で、特に今SEOの起点は”Contents is king(コンテンツ イズ キング)”と現代において大きく言われていますが、その中で動画というコンテンツはSEOにどのような影響を与えるのでしょうか。
- 動画のSEO効果は立証されている
通常、Googleは文字列での評価を主軸としているため、コンテンツ拡充においてのSEO対策といえば「テキスト」での対策がメインの対策となります。しかし、近年では動画コンテンツがテキストや画像に比べてSEOにおける有用性が高いと議論されています。
具体な例としては、「動画コンテンツを含むWebサイトは、動画コンテンツを含まないWebサイトと比較して、約53倍の確率で検索結果1位表示される。」という調査結果が立証されているのです。これについては、アメリカの調査会社「Forrester Research(フォレスターリサーチ)」により2010年に立証されました。
ところが、Googleスタッフはこれと全く逆の意見で「動画コンテンツを掲載してもそれだけでは検索順位は絶対に上がらない」という旨の発言を過去にしているのです。
ですので動画コンテンツが直接SEOに与える影響はGoogleのオフィシャルでの見解では存在せず、「Forrester Research(フォレスターリサーチ)」によって立証された事由は動画コンテンツを乗せたことによるものではなく、動画コンテンツをのせたことによって発生したなにか別の要因が膨らんでいると検討されています。
- 動画がSEOに与える「間接的要因」とは
Googleスタッフが「動画コンテンツを掲載してもそれだけでは検索順位は絶対に上がらない」という旨の発言をしている通り、動画コンテンツによるSEO対策はあくまで「間接的要因」として捉えましょう。
Googleは動画コンテンツがWebサイト上にあるかないかだけでは検索順位の上下を決めていないため、動画コンテンツがあるだけで検索順位が上がるとは一概には言えません。
しかし、動画コンテンツをWebサイトに掲載することよって順位上昇があった事例と、動画を載せることによるGoogleのアルゴリズムがネガティブに評価する事例はないため、総括して考えると動画コンテンツをテキストコンテンツと並行して表現していくことは推奨できるでしょう。
(※テキストを消して、動画のみの表現にすることは推奨いたしません。)
ではなぜ動画コンテンツが間接的な影響をもたらしたのでしょうか。
現在、コンテンツの表現方法はテキストであることから、多くのSEO用コンテンツ記事が各社のサイトにあがっている例をよく見かけます。
ただそれはGoogleのためであって、ユーザーのためではないものが多く、今のアルゴリズムの考えと本質的には乖離していることが現状です。
一方で動画コンテンツは1分間の動画で伝える情報量は約180万語に匹敵し、
動画というコンテンツが多くのテキストで離脱するユーザーの足を止める要因に繋がることは想定できます。
よってサイトへの滞在率、直帰率などユーザー動向がわかるような指標もSEOとしての評価軸として見直されている現状があり、間接的に動画がSEOに対して良い働きをしていると想定しております。
どのような動画コンテンツが最適なのか
- 動画コンテンツは検索ニーズとテキストにあったクリエイティブ
現状では、Googleの検索エンジンは「動画の内容までは読み取っていない」とされています。つまり、動画コンテンツであってもSEO対策として効果のある要素は並行して記載されてある「テキスト」になります。
基本はライティングメインで考え、その際にどのようなターゲットキーワードで記事を書き、その記事に対してどのようにして動画要素を構築できるかを考えることが重要です。
SEO的な観点から検索ボリュームや難易度、検索結果の状況などを見てキーワードを選定することが一般的ですが、動画を記事に当て込むことを想定したとき対策にすべきキーワードも、よりユーザーの検索意図を理解してあげることが必要とされます。例えば、「アーティスト名」と「アーティスト名+曲名」であれば、どちらがより動画コンテンツのニーズが高いと考えられるでしょうか?答えは、「アーティスト名+曲名」です。
なぜなら、アーティスト名に加えて曲名まで検索する人は、「そのアーティストの曲が聴きたい」というニーズが高いことが考えられるからです。
現に、「アーティスト名」で検索した時より「アーティスト名+曲名」で検索した時の方が、動画コンテンツが上位表示されやすい傾向があります。ただし、動画でのSEOの考え方はアルゴリズムが定着していないため、必ずしもこの限りではありません。
「記事の要約を動画にする」、「テキストの説明だとわかりづらいものを動画にする」、など動画にするうえでのクリエイティブとしてのアウトプットの形をイメージしながら記事を並行して考えるのと、またその中でも「動画を表示させることがユーザーにとって有益な情報である」という本質的な部分を常に軸にもって動画コンテンツの設計をイメージしていきましょう。
- 現状ではYouTubeが効果的
マーケティング方法として動画コンテンツを利用したいと考えている場合は、現状ではYouTubeに一度アップし、その動画リンク、サムネイルを記事内に表示することを推奨しています。
理由としてはニコニコ動画など他動画メディアにもアルゴリズムとしてGoogleの動画検索結果に情報が露出されますが、YouTubeはGoogleのグループ会社の一つであり、動画をそこにあげとおけば動画自体がGoogleやYoutubeから認知を獲得することができます。またYoutubeとGoogleのアルゴリズムは相関性が非常に高いものであるため、比較的Googleの動画検索において検索上位に上がりやすい傾向があります。
また、YouTubeそのものが初心者向けコンテンツであり、動画のアップロードも手軽であるため、単に動画をアップするのであれば2,3つのメリットがあるYoutubeを選択することをおすすめします。
YouTube内のSEO(VSEO)とは
- VSEOとは?
VSEOとは、検索結果において、検索キーワードと関連する動画がより掲載されやすくするために行う手段のことを指します。
Videoの頭文字の「V」とSEO(検索エンジン最適化)を合わせてVSEOと名づけられました。
一見、VSEOと聞くと動画タイトルなどのメタデータの設定を想像する人も多くいるかもしれません。しかし、主要検索サイトであるGoogle(YouTube)やYahoo!のアルゴリズムは動画コンテンツの「内容」と「質」から表示順位を決めています。
・YouTube等、動画サイト内の自然検索枠にキーワードと関連する動画が掲載されやすくなる
・Googleのユニバーサル検索枠に、キーワードと関連する動画が掲載されやすくなる
アップロードした動画に対してしっかりとVSEO対策をすることで上記の効果が期待できます。
- Googleが評価する動画とは?
Youtubeの対象のチャンネルの新規認知、流入数の拡大を目標としたとき、動画SEO(VSEO)の観点を駆使して全体設計を考えましょう。まずYoutubeのアップ動画への流入経路は大きく6つございます。
・Youtube検索
・Youtube関連動画
・Youtubeトップページ
・Youtube急上昇
・Google検索
・ソーシャルリンク
VSEOの設計をしっかりと反映できれば、これらの流入経路に対して露出頻度が高めることができます。
どのようにすればVSEOが担保され露出頻度が高まるか、その軸はシンプルにGoogleから良い動画・チャンネルとして評価されており、ユーザーの検索意図に紐づいている必要があるということです。
その”Googleから良い動画・チャンネルとして評価されてる”状態にするには大きく13個のランキングファクターを最適化する必要があります。それらがVSEOのチューニングレバーとなります。
(※ランキングファクターに関しては15~16個でまとめられる事例が多いですが、弊社は13個と定義しております。)
それでは下記にてそれぞれのランキングファクターの説明をいたします。
- YouTube内でのSEO対策で押さえておきたい13個のポイント
【タイトル】
タイトルは、その動画の顔になる部分と言っても過言ではありません。動画SEOにおいても最も影響力のあるテキスト情報であるため、動画の内容と合致したキーワードを使ったタイトルをつけなければなりません。
タイトルを付ける際には、その動画のキーワードを「なるべく動画の前半10文字以内の部分に入れる」ということがクリック率アップのポイントとなります。また、タイトルの長さも重要で、できるだけ簡潔に、ユーザーがクリックしたくなるような文言を「32文字以内に収める」ことが大切であるとされています。32文字以内である理由は、YouTubeで表示されるタイトルの最長が32文字に設定されており、それ以上長いタイトルとなると後半部分が見切れてしまい、ユーザーに動画内容が伝わりづらいタイトルとなってしまう恐れがあるからです。
ただし、あまりに動画と関連性のないタイトルを付けてしまうと、再生を途中でやめてしまうユーザーが多いことが分かっています。これは、動画の総再生時間に悪影響を与えるため、動画の内容に適したタイトルを付けるようにしましょう。
【動画説明文】
動画説明蘭は一般的に「概要欄」とも呼ばれ最大で5000文字入力することができます。動画のすぐ下におおよそ2〜3行表示されるテキスト情報でテキスト情報が長ければその下に「もっと見る」という表示がされ、さらに展開して長いテキスト情報を表示することができます。
動画説明文(概要欄)には一般的に、動画の説明文が書かれますが、必要に応じて関連サイトのリンクなどが貼り付けられている場合があります。ここにできる限りターゲットキーワードや関連性のある共起語を入れ込むことが重要で、特に「もっと見る」の前に表示される文章はユーザビリティの観点からも重要なため惹きになる文章を構築しましょう。
ただタイトルも同様ですが不正にキーワードを羅列することはネガティブに評価されてしまうので、しっかりキーワードを意図した文章を設計することを心掛けましょう。
【タグ】
タグとは、動画に貼ることのできる関連キーワードのことを指します。タグは一つの動画に複数貼ることができ、タグのキーワードを検索した時にそのタグが貼られている動画が検索で引っかかるようになります。ただし、貼り付けるタグは必ずその動画に関連するキーワードにしましょう。
また、タグ付けを動画の種類やカテゴリで分けると、関連する動画が自動的に選択され、他の動画の関連動画としてその動画が表示されやすくなり、結果的に視聴される確率が上がると考えられています。
【被リンク、SNSでのシェア】
YouTubeにおける動画SEOは、YouTube内での支持率だけではなく、「YouTube外での支持率」も評価の重要な指標とされています。
これは主に、「SNSでのシェア数」や「アンカーテキストによる被リンク」あが重要視されていると考えられます。最近では、Twitter・Instagram・Facebookなどがメジャーであると言えるでしょう。SNSでのシェア数を増やすためには、視聴者の興味関心を刺激するような魅力的な動画コンテンツを作成したり、動画の最後に拡散を喚起する編集をしてみることもおすすめまします。
【カテゴリ】
Googleに評価されやすい動画コンテンツは、「レビュー」「ハウツー」「スポーツ」「チュートリアル」の4カテゴリであると言われています。
これらのカテゴリが評価されやすい背景には、「具体的にユーザーの困りごとを解決するコンテンツ」になりやすいということが考えられます。
基本的にGoogleは、ユーザーの問題解決に繋がる検索結果を表示するアルゴリズムを設定しているとされているため、「レビュー」「ハウツー」「スポーツ」「チュートリアル」はその考え方に直結する動画コンテンツであると考えられています。
【サムネイル】
サムネイルとは、動画を再生する前に表示されている静止画のことを指します。サムネイルはその動画にたどり着いた人が、動画を再生するかしないかを判断する重要なものです。サムネイルによってどんな動画なのかを一目で判断するため、動画の内容に関係した魅力的なサムネイルを作成する必要があります。
サムネイルでのポイントは、カテゴリにもよりますが人物や惹きテキストをアップにしてはっきりと見えるようにすると、クリック率が上がる傾向があるとされています。
Googleの検索結果画面でもリッチスニペットとして表示されるためしっかりと惹きになる画像を準備しましょう。
【動画内容】
全てのファクターにおいて最適化が必要ですが、最も重要となるのは総視聴時間に紐づく動画内容となります。シンプルに最後まで見たいと思う動画をアップするということです。
その「視聴時間」とは動画が再生された時間の総数のことを指し、動画がどのくらいの長さ再生されたかを時間で計るため、Webページの更新やリピートでは加算できず、しっかりと動画が再生されなければ加算されません。
また「視聴時間」を構成しているのは「再生回数」×「視聴維持率」になります。「再生回数」とはその動画が再生された回数のことを指し「再生回数」は動画を最後まで見なくても、Webページを更新したりリピートしたりすることで回数が加算されていきます。「視聴維持率」とは、その動画コンテンツをどのくらいの長さまで見てもらえてるのかの尺度のことを指します。
「再生回数」は動画への流入を上げて対策することが可能ですが、重要なのは「視聴維持率」を担保するため魅力的な動画を作ることにつきません。動画の企画や編集方法がカギとなるのでこの点はまた別途記事をあげさせていただきます。
【フラグ】
再生回数を目的にしたときに際どい動画の企画にしたり、ユーザーの検索意図をだます形のタイトル設計に傾向しがちですが、視聴者からフラグを立てられる可能性があるため、しっかりガイドラインに沿った動画をアップしましょう。
【チャンネル概要】
概要ページはコンテンツに興味を持ったユーザーに対してチャンネル登録を喚起できるため、しっかりと自身のチャンネルを説明しましょう。
下記は記載項目例の一つです。
・チャンネル説明
・自己紹介
・ターゲットキーワードを含んだチャンネルの概要
・お問い合わせ先
・個人ウェブサイトのリンク
・SNS のアカウントリンク
【再生リスト作成】
再生リストにターゲットキーワードや関連するテールキーワードを設定すると、チャンネルの全体のテーマ性は高くなり上位表示しやすい傾向になります。
最低でも10個以上動画がアップされているのであれば、1つは再生リストを作成することをおすすめします。
また再生リストは自身の動画でなくても作成はできるので、関連性を高める上で参考にしている他チャンネルのYoutubeの動画を追加するのも効果的です。
【投稿頻度】
定期的に投稿することはとても重要で、動画の投稿頻度が低いと認知も広がらずチャンネル登録を解除する要因にも繋がります。
理想な投稿頻度は週5回~毎日投稿することですが運用上厳しいというのが現状かと思いますので、ユーザーにこの時間になれば新しい動画があがるという定期性を担保できればもう少し頻度をさげても良いかと思います。
また金土日はユーザーがアクティブに動く傾向があるためそのタイミングでの投稿をどこかに入れることもおすすめします。
【投稿時間】
投稿頻度にも近い内容ですが、こちらも定期性を設けて~時にアップするということを周知することが大事です。
一般的には19時~20時ほど全体傾向として勝ちパターンといわれていますが、ターゲットユーザーがアクティブに動く時間帯を狙って動画を上げることが重要なのでその点を重視していきましょう。
【コメント対応】
YouTubeには視聴者と配信者のコミュニケーションツールとして、コメント機能・お気に入り・評価ボタンなどを備えています。これらの数値に関してもYouTubeはデータとして参考にしているため、動画SEOに影響する要素の一つであるとされています。
コメント数・お気に入り登録をしている人数・評価数は、その動画に対してどれだけ興味関心が持たれているのかを計る重要な指標となっているため、視聴者に動画内や説明文にてコメントを依頼したり、コメントが来た際にはレスを返しコミュニケーションをとってファンに対して最高な対応を心がけましょう。
おわりに
現代のコンテンツの爆発的な増加は、いつしかユーザーのためではなくGoogleのためのものに移り変わり過去の外部リンクのような本質的ではない対策手法が一般化されています。
Googleのアルゴリズムも100%には程遠く、Googleのことを考える以上にその先にいるユーザーのことを考えることが本質的であります。なぜならばGoogleがユーザーのことを考えアルゴリズムを改変していくからです。
デバイスの多岐化や、サイトのUI/UXデザイン、コンテンツの表現方法も多岐化してきている今、上記に今の方法論をまとめさせていただきましたが改めてSEOにしろ、VSEOにしろ、ユーザーと時代を先読みして柔軟に対応していくことが大切で、その軸でチューニングを心がけていれば間違いなく継続的に流入に繋がるコンテンツになるかと思います。