企業の提供する商品やサービスに関心を持ってもらうためには、コンテンツマーケティングを行うことが大切です。
顧客にセールスだけでなく、定期的に有益な情報を提供することによって企業の信頼性やブランディングは向上します。
しかし、最適な手法や内容を理解している企業は少ないので、今回はコンテンツマーケティングの目的や種類、メリットやデメリットについて徹底解説します。
目次
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、Webサイトやブログ、SNSなどのコンテンツを活用して集客を行うマーケティング戦略で、Webマーケティングの1部です。
顧客に対して商品やサービスをいきなり売り込んでも、購入してもらえる可能性は低いですが、コンテンツを通して有益な情報を発信することで、顧客に興味・関心を示してもらえるようになります。
また、既存顧客だけではなく見込み顧客や新規顧客の購買意欲も向上させられるので、さまざまな業界で大きな効果を期待することが可能です。
コンテンツの種類
コンテンツマーケティングで活用するコンテンツは数多く存在しており、業種やサービスによって適切なコンテンツを活用することが効果的です。
ここでは、活用できる主なコンテンツを4つ解説します。
テキスト
テキストは、主にWebサイト、ブログ、Twitter、雑誌、メルマガなど、テキストベースのコンテンツです。
最近では、写真や動画コンテンツの人気が高まっていますが、テキストコンテンツのニーズも十分にあります。
写真
写真は、主にオウンドメディア、Instagram、Facebookなど、写真によるアプローチが行えるコンテンツです。
10代〜30代の若者を中心に人気が高く、Instagramを活用している企業も多くなってきています。
動画
動画は、主にYouTube、Instagram、TikTok、オンラインセミナーなど、テキストよりも映像による視覚的な情報発信を行えるコンテンツです。
最近では、YouTube ショートやTikTokのような縦型コンテンツ(スマホコンテンツ)が流行っており、縦型の動画コンテンツを作成する企業は増えています。
セミナー・イベント
セミナー・イベントは、インターネットを通さずオフラインで実際に会場などに足を運んで開催するコンテンツです。
商品やサービスを披露したり紹介することで、見込み顧客や潜在顧客を獲得することが期待できます。
意識したい4種類のメディア
コンテンツマーケティングで意識したいメディアは、主に以下の4つです。
- オウンドメディア:企業が管理・運営するWebサイトやブログメディアやYouTubeチャンネル、SNSアカウントなど
- ペイドメディア:費用を払って掲載するSNS広告やプレスリリース、インフルエンサーに依頼する案件広告など
- アーンドメディア:企業が管理・運営できない口コミや評判、第三者によるブログなど
- シェアードメディア:コミュニティやユーザーが拡散・共有することで自然発生したメディア
メディアには、主に以上の4つの種類があり、それぞれに高い相関関係があるります。
例えば、オウンドメディアの質が低ければ、費用を使ってペイドメディアを掲載しても高い効果は期待できず、口コミや拡散も少なくなり、アーンドメディアとシェアードメディアもほとんど機能しません。
そのため、4つのメディアの存在を意識してコンテンツマーケティングを行うことが大切です。
コンテンツマーケティングのメリット
多くの企業で、コンテンツマーケティングは行われており、現在では必要不可欠な集客方法の1つです。
そんなコンテンツマーケティングのさまざまなメリットを、主に4つ解説します。
広告費を削減できる
ブログやSNS、動画などのコンテンツは、費用をほとんどかけずに情報発信が行えて、1度公開すれば、維持するための費用もほとんどかけずに集客が行えます。
そのため、掲載期間や掲載規模が限定されており、費用のかかる広告にコストを割かなくても、集客ができ、広告費を削減することが可能です。
コンテンツが資産として蓄積される
ブログやSNS、YouTubeなどのコンテンツは、更新すればするほど蓄積していき、過去に投稿したコンテンツにも価値が付きます。
そのため、コンテンツマーケティングによって更新されたコンテンツは全て企業の大切な資産になり、過去のコンテンツからも集客が可能です。
また、記事や動画投稿数が多くなるほど、Googleからの評価が上がり、露出が多くなるという利点もあります。
権威性や顧客からの信頼を獲得できる
特定の分野で長期的にコンテンツを発信し続けていると、その分野での権威性や顧客からの信頼を獲得することが可能です。
また、自社のブランディングにも効果的に作用するので、既存顧客の満足度向上や見込み顧客や新規顧客に興味を持たれやすくなります。
そのため、コンテンツマーケティングに力を入れている企業は、ユーザーに役立つ情報をコンテンツで定期的に発信するだけで、自社の利益に繋がることも多いです。
拡散・共有されやすくなる
有益なコンテンツは、TwitterやInstagram、TikTokなどのSNSで拡散・共有されやすく、不特定多数に認知してもらえます。
また、広告としての情報に対して嫌悪感を抱くユーザーは多いですが、コンテンツであればスムーズに受け入れられることが多いです。
そのため、自社の発信しているコンテンツ以外からも、潜在顧客を発見することができます。
コンテンツマーケティングのデメリット
コンテンツマーケティングによって多くのメリットを得られますが、デメリットもあるので注意が必要です。
続いては、コンテンツマーケティングのデメリットを、主に2つ解説します。
成果が出るまでに時間がかかる
コンテンツマーケティングは、広告と違い即効性が低く、成果が出るまでに時間や手間がかかります。
実際に、SNSやブログなどのコンテンツを始めた段階では、ほとんどアクセスを獲得できずに、半年から1年以上変化がないことも多いです。
そのため、手間だけ増え利益に繋がらないことから、成果が出る前に撤退してしまう企業がとても多くいます。
しかし、時間をかけてしっかりとコンテンツを蓄積していけば、長期的に高い集客効果を発揮できるので、継続させることが大切です。
定期的に更新する必要がある
コンテンツは1度更新しただけでは、大きな成果を得ることができないので、定期的に更新する必要があります。
実際に、更新が長期間止まっているSNSやブログなどをフォローしたりアクセスするユーザーは少なく、常に最新の情報を求めているユーザーがほとんどです。
また、定期的に更新してコンテンツを蓄積することで、多くのメリットは得られます。
そのため、「週に1回」「月に3回」のように定期的に更新することが大切です。
実践する手順
コンテンツマーケティングを実践する手順は、主に以下の通りです。
1 目的やテーマを決める
2 ペルソナ設定やターゲットを決める
3 ゴール設定やゴールへのプロセスを考える
4 コンテンツを作成する
5 顧客やコンテンツ情報の分析や改善を繰り返す
基本的に、以上の流れでコンテンツマーケティングを行うことによって、成果を得られる可能性が高くなります。
また、5の「顧客やコンテンツ情報の分析や改善」は、長期的に運用する場合にとても大切なことなので、徹底して行いましょう。
コンテンツマーケティングの注意点
コンテンツマーケティングを実践する場合、狙っているターゲットや発信する媒体を決めて、一貫した内容を更新することが大切です。
専門性が高く、特定の分野で権威性や信頼を獲得することが、集客では大切なことであり、アクセスや露出をとにかく増やすことは、コンテンツマーケティングの本来の目的ではありません。
また、アクセスやフォローした顧客の情報収集・分析を行い、常に改善を続けながら更新することも、成功させるためには大切な要因の1つです。
そのため、最初にペルソナ、媒体、発信内容、ターゲットなどをしっかり決めて始めましょう。
具体的な失敗事例
コンテンツマーケティングの具体的な失敗事例には、主に以下のような事例があります。
目的・目標が曖昧
具体的な目的・目標がなく、曖昧な理由でコンテンツマーケティングを行うと、計画や戦略、改善などが難しくなり失敗してしまいます。
実際に、目的もなくコンテンツ発信を行い集客のための導線や必要な予算などを設定していないと、コンテンツ制作費や維持費がかかるだけの状態になります。
ターゲット設定をしていない
どのようなユーザーに自社の存在や商品を知ってもらいたいのか?コンセプトをはっきりさせて、適切なターゲティングを行わないと、コンテンツマーケティングは上手くいきません。
しっかりと、アプローチした年齢層や性別、趣味を設定しておなければ、コンテンツ発信をしても、どの層にも影響を与えられず集客がうまくできません。
ユーザーにとって有益な情報が少ない
自社の利益に直結するコンテンツではなく、ユーザーにとって有益な情報を発信して、競合他社のデメリットなどを紹介しているコンテンツは、ユーザーが集まらずGoogleからの評価も低下します。
そのため、自社の利益だけでなくコンテンツの有益さや質もしっかりと意識することが大切です。
短期的な結果を求めてしまう
コンテンツマーケティングは、SEO対策やドメインの評価など、効果が出るまでに半年や1年以上かかることがほとんどです。
そのため、中長期間運用することを前提とした戦略や目標を立てて行うことが大切です。
短期的な結果を求めて運用すると、コンテンツを正しく評価したり改善できません。
コンテンツの管理・運用が疎かになっている
日々、最新情報を更新したり過去の記事のリライトを行うなどの管理・運用を徹底して行わないと、コンテンツマーケティングは失敗することが多いです。
実際に、ファッションやITなどのコンテンツは変化が激しいので、短期間で発信した情報が古くなり有益性を失います。
そのため、毎日徹底したコンテンツ管理や運用、改善することが大切です。
プロに依頼する方法もおすすめ
自社でコンテンツマーケティングを十分に行うことができず、成果をなかなか上げられない状態の場合は、コンテンツマーケティング会社やSEO対策会社、Web制作会社などのプロに依頼することもおすすめです。
自社で人材教育や、コンテンツ運営を全て行うことも大切ですが、プロに依頼することによって、より早く知識やスキルを身につけることができたり、高い結果を期待することも可能です。
そのため、コンテンツマーケティングで息詰まっている企業は、プロへの依頼を検討してみてください。
コンテンツマーケティングの成功事例
コンテンツマーケティングは必ずしも上手くいくとは限りません。成功する企業もあれば失敗してしまう企業も多いです。
ここでは、コンテンツマーケティングの具体的な成功事例を紹介します。
成功事例1 オーマイグラス株式会社
日本製の高品質なメガネやサングラスの販売を行なっているオーマイグラス株式会社は、日本最大級のメガネ・サングラス専用のECサイト「オーマイグラス オンラインストア」をオウンドメディアと一体型で運営しています。
オウンドメディアでは、自社の売上に直結する商品のコンテンツだけではなく、「目の健康」「目薬」「おすすめのメガネブランド、店舗」「マスクでメガネが曇らない方法」などのコンテンツを発信しています。
自社にとって直接的な利益は得られなくとも、ユーザーにとって有益になる情報を発信することによって、アクセスや認知度を向上させたりファンを獲得しています。
その結果、企業に関心を持った一部のユーザーが、実際に商品を購入するようになるので、代表的なコンテンツマーケティングの成功事例の1つです。
成功事例2 ハードロック工業株式会社
ハードロック工業株式会社は、ゆるみ止めネジの開発と製造、販売を行なっている企業です。
2020年から運用しているオウンドメディア「ねじ締結技術ナビ」では、コンテンツマーケティングによって、高い成果を上げています。
ネジの締結や緩みに関する情報や専門知識や技術をコンテンツとして発信しており、エンジニアが目的別でコンテンツを探せるようなタグ付けやイラスト、動画を使ったわかりやすい解説を行っています。
また、過去の解決事例を紹介することで、見込み顧客の新規実現をしており、お役立ち資料のダウンロードページまで設計されています。
顧客向け情報からエンジニアにとって有益な情報まで発信しており、コンテンツとしてとても有益性が高いです。
成功事例3 小林食品株式会社
小林食品株式会社は、鰹節の製造・販売を行なっている企業で、主に業務用に販売を行なっていますが、家庭用にもECサイトによる販売を行なっています。
また、BtoC向けとBtoB向けの2つのオウンドメディアを運営しており、どちらもコンテンツマーケティングによって高い成果を得ています。
BtoC向けオウンドメディアでは、「食材の栄養や健康効果」「レシピ紹介」「鰹節を使ったおすすめ料理」などの有益なコンテンツを数多く配信しています。
さらに、各記事に商品購入ページが設置されているので、商品が気になったら直接ECサイトにアクセスできる設計になっています。
そのため、ユーザーは有益な情報を得るだけでなく、手間をほとんどかけることなく商品を購入することが可能です。
BtoB向けオウンドメディアでは、主に企業向けのECサイトになっており、トップページでは「めんつゆ製造会社」「たこ焼き、お好み焼き店」などのカテゴリーに分かれています。
そのため、初めて利用する場合でも安心することができ、各ページの最後には問い合わせフォームが用意されている設計です。
小林食品株式会社は、企業向けと消費者向けのオウンドメディアを使い分けて、それぞれでコンテンツマーケティングを成功させています。
まとめ
コンテンツマーケティングは、効果的に集客を行えるマーケティング戦略で、多くの企業が活用しています。
しかし、自社が発信したい情報ではなく、顧客やユーザーが求めている情報を定期的に提供することが大切です。
適切な方法で実践すれば、さまざまなメリットが得られて、長期的に高い利益を見込めます。
これからコンテンツマーケティングを実践する企業は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。